Amazonから出品用アカウントの停止や出品情報の削除の通知が届き、何から手をつければよいか迷っている出品者の方に向けた記事です。原因が違っても共通する最初の切り分け方から、原因ごとに異なる提出の形、申し立ての書き方、停止中に避けたい行動、再開後の点検までを、対応の記録を残しながら進める流れで整理します。
タイトルの「合計300件以上」は、当室がこれまでに公表している対応件数です。ただし、停止の原因や通知の書き方は一件ごとに異なり、件数が個別の結果を約束するものではありません。本記事では、どの原因でも最初に確かめたい点と原因ごとの確認ポイントを、Amazonの公式ヘルプと規約の記載をもとにまとめます。
内容は2026年9月時点で確認できたセラーセントラルのヘルプ、Amazonサービスビジネスソリューション契約(以下「出品契約」)、関係法令に基づいています。規約や画面の表記、ボタンの名称は変わることがあるので、実際の画面と最新のヘルプもあわせて確認してください。
再開対応の出発点|最初に切り分ける3つのこと
通知を受け取ったら、まず次の3点を切り分けます。
1. 措置の範囲|出品単位か、出品者出荷か、アカウント全体か
Amazonのヘルプは、指標やポリシーを守れていない場合の措置として、アカウントの一時的な利用停止、出品情報の削除、出品者出荷の利用制限を挙げています。どれに当たるかで手続きが変わります。
- 出品情報の削除:ページ内の指示に従って申し立てを送るか、出品規約に沿って出品情報を修正します。申し立てを送らずに、出品情報の修正だけで解消できる場合もあります。
- 出品者出荷の利用制限:注文不良率などの指標が基準を外れたときの措置で、指標ごとの手続きが用意されています。
- アカウント全体の停止:アカウント健全性ページ上部の案内(例:「出品用アカウントの再開」)から申し立てを行います。
- 再開の見送りを伝える通知:虚偽・不正などへの関与を理由に、再開しない旨が書かれた通知の例もあります(形式は通知ごとに異なります)。通常の停止と扱いが異なる可能性があるため、通知の文言をそのまま記録シートに残し、専門家への相談も検討してください。
2. 表示される画面|どこに何が出ているか
通知の内容は複数の画面に分かれて表示されるため、1つの画面だけで判断すると、別の画面の違反や期限を見落とすことがあります。
| 確認する画面 | 分かること |
|---|---|
| 「パフォーマンス」→「アカウント健全性」 | 停止の有無、アカウント健全性の評価、各指標、上部のバナーやボタン |
| アカウント健全性ページの「商品規約の遵守」→「すべて表示」 | 削除された出品情報・画像の履歴、現在のステータス、「次の手順」列のガイダンス |
| 「パフォーマンス」→「パフォーマンス通知」 | 通知の本文、理由、求められている情報、期限の記載 |
| 「在庫管理」の停止中の出品情報 | 「商品規約の遵守」に出てこない停止中の出品 |
| 「コンプライアンスの管理」 | 商品の安全性や拡大生産者責任に関する一部の違反(アカウント健全性ページへの統合が進められていると説明あり) |
3. 通知の真偽と期限|メールより画面を基準にする
停止を装ったフィッシングメールにも注意が必要です。Amazonのヘルプは、メール上のリンクをクリックしないこと、返信やリンク先で出品用アカウントや銀行口座の情報を提供しないことを注意点に挙げています。メールが届いたら、ブックマークなどから直接セラーセントラルにログインし、画面に同じ内容が出ているかを確かめてから、記載された期限を書き出します。期限の日数は通知ごとに異なるため、手元の通知を基準にしてください。
通知によっては、停止の理由、再開の方法、情報の送り方、誤って停止されたと考える場合、情報を送らなかった場合の扱い、といった見出しで構成されているものがあります(出品者がセラーフォーラムに転載した例で、形式は通知ごとに異なります)。見出しごとに要点を書き出しておきます。
出品契約では、停止・終了の際は理由と異議申し立ての選択肢を示して通知するとされる一方、不正な活動の調査や防止の妨げになる場合などの例外もあります。理由が抽象的に見えても推測で決めつけず、質問項目や求められている書類から、何が確認されているのかを読み取ります。
自分の「対応記録シート」をつくる
当室では月ごとの対応記録(例:2026年8月の対応記録)を公開していますが、再開に向けて同じくらい大切なのが、出品者自身が手元に残す記録です。同じポリシーへの違反は180日の期間で数えられ、申し立てで取り消された違反でも、異議申し立てをしていないものは180日以内は繰り返し違反の上限回数に数えられることがあります。一覧から消えた違反も含めて記録しておくと、今回の原因が過去と同じかを照らし合わせられ、追加要請の際に何をいつ送ったかもすぐに確認できます。
| 記録する項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 通知の受領日と件名 | メールの受信日だけでなく、パフォーマンス通知に表示された日付も書く |
| 措置の範囲と表示場所 | 出品単位/出品者出荷/アカウント全体と、どの画面に出ているか |
| 対象のASIN・SKU | 通知(質問書の案内では最初の通知の下部)や「商品規約の遵守」に表示された対象商品から書き写す |
| ポリシー名と「アカウント健全性の評価の影響」列の表示 | 繰り返し違反のラベルの有無も記録する |
| 提出の形と期限 | クイズ/改善計画/選択式の申し立て/書類提出と、期限の日付 |
| 送信日・送信内容・添付書類 | 送信前に文面と添付ファイルの控えを保存する |
| 回答日・結果・追加要請 | 審査結果のEメールとパフォーマンス通知の両方を確認する |

記録は、通知に書かれていること(事実)と、自社で考えた原因の見立て(推測)を分けて書くのがポイントです。両者が混ざったまま申し立てを書くと、説明が通知の内容からずれやすくなります。
提出の形は原因ごとに違う|申し立ての早見表
「停止されたら長文の改善計画を書く」と考えがちですが、公式ヘルプを見ると、原因によって求められる提出の形は大きく異なります。
| 原因の区分 | 主な提出の形 | 押さえておきたい点 |
|---|---|---|
| 注文不良率・キャンセル率・出荷遅延率 | 5問のクイズ(表示された場合)/パフォーマンス改善計画 | 停止前にクイズが案内されることがあり、期限内(注文不良率・キャンセル率のヘルプでは72時間以内)に合格すれば改善計画は不要で、出品も停止されないとされる |
| アカウント健全性の評価の重大な違反・繰り返し違反の上限到達 | ページ上部のバナーの手順に沿った対応 | ヘルプでは猶予は3日間とされ(直ちに停止される場合もある)、過ぎると「商品規約の遵守」から申し立てを完了するまで停止される |
| 商品のコンディション(商品説明を含む)に関するポリシー違反 | 2つの選択肢から選ぶ申し立てと証拠 | 改善計画は受け付けられない |
| 真贋(偽造品の疑い)・品質 | 質問書への回答と請求書などの書類 | 請求書に期間・数量・仕入先情報・形式の要件がある |
| 知的財産権 | 通知への返信、権利者への撤回依頼、請求書・注文番号・認可書など | 出品歴や権利者との関係で選択肢が変わる |
| 本人確認・出品者パフォーマンスの審査 | 「新しい情報を送信」からの書類提出 | 鮮明さ・発行日・登録情報との一致などの要件がある |
実際に求められる書類や手順は、届いた通知と画面の案内が優先します。
改善計画が受け付けられない申し立てもある
商品のコンディション(商品説明を含む)に関するポリシー違反では、修正済みなら「ポリシーを理解し違反を認識している」旨の選択肢を、誤って届いたと考えるなら「遵守を確認するための証拠や書類を持っている」旨の選択肢を選びます。この申し立てでは、パフォーマンス改善計画、在庫ページや注文の商品詳細ページの画像、審査が完了していないビンチェック(フルフィルメントセンターでの在庫の確認依頼)のケースは受け付けられないと明記されています。予防や是正の証拠としては、更新したトレーニング資料、商品のパッケージ、品質チェックの画像などが案内されています。
ボタン名と用語のゆれ
申し立ての入口の名称は、ヘルプの中でも「出品用アカウントの再開」「再審議請求を送信」「アカウント健全性の申し立てを送信する」「新しい情報を送信」「申し立てを表示」など場面ごとに異なります。見つからないときは、アカウント健全性ページ上部のバナーとパフォーマンス通知の案内から入ると迷いにくくなります。
用語も統一されていません。アカウント健全性の評価のヘルプでは、違反はあったが意図的ではなく取り消されるべきだと求めるものを「申し立て」(ページによっては「再審議」)、違反が誤って検出された証拠を示すものを「異議申し立て」と呼び分けています。ただしほかのヘルプでは、誤って届いたと考える場合の手続きも「申し立て」と呼ぶことがあります。
原因別の確認ポイント
原因ごとに、公式ヘルプで確認できる要件を整理します。複数の原因が重なる場合は、それぞれ確認してください。
アカウント健全性の評価(AHR)による停止
アカウント健全性の評価(AHR)は、特定の出品ポリシーへの違反による停止リスクを0〜1,000で示す指標です。200以上が緑の「健全」、100〜199が黄の「リスクあり」、99以下が赤の「不健全」で、過去180日間の状況をもとに表示されます。
- 重大な違反:スコアは0・赤になり、停止まで3日間の猶予があります。3日以内に対処すれば停止されないと説明されています。ただし、直ちに停止される場合もあるため、通知が届いたらすぐに対応してください。
- 繰り返し違反:2025年7月23日から有効なルールで、同じポリシーへの違反を繰り返すと違反ごとの影響が大きくなり、評価がより早く下がります。180日以内に違反回数の上限に達すると、アカウント健全性ページに重大な違反として表示され(評価は赤・スコアは0)、3日以内に対応しないと停止されると説明されています。ただし、ヘルプには「直ちに停止される可能性がある」との記載もあるため、通知が届いたらすぐに対応してください。重大度の高い違反では、上限が2回までとなる可能性があります。
- 再開の条件:違反への対応、申し立て、異議申し立てによりスコアが基準値(100)まで戻ると再開されると説明されています。AHRで停止された場合、180日が経過しても違反はページから削除されません。
不正・虚偽・違法その他有害な行為(Amazonのシステムを回避しようとする行為を含む)が疑われる場合は、スコアにかかわらず停止されることがある点にも注意が必要です。詳しくはアカウント健全性スコアの点検と改善の優先順位で扱っています。
出品者出荷のパフォーマンス指標
出品者出荷の注文には、ヘルプで維持が求められている次の基準があります(出荷遅延率と追跡可能率は、ヘルプによって境界の書き方が異なるため目安として示します)。注文不良率・キャンセル率・出荷遅延率が基準を外れて出品者出荷が停止された場合は、アカウント健全性ページの案内からパフォーマンス改善計画を提出します。追跡可能率が95%を下回って特定カテゴリーの出品が停止された場合は、アカウント健全性ページで該当カテゴリーの横の「申し立てを送信する」から申し立てます。
| 指標 | 対象期間 | 基準 | ヘルプが挙げる原因の例・補足 |
|---|---|---|---|
| 注文不良率 | 60日間 | 1%未満 | 並行輸入品を正規品のカタログで販売、コンディションの設定誤り、返品ポリシーに適合した返品を承認しない |
| キャンセル率 | 7日間 | 2.5%未満 | 他の販売経路との在庫共有による欠品、確保できない在庫数の入力。出荷通知がなくAmazonが自動キャンセルした注文も含む |
| 出荷遅延率 | 10日間または30日間 | 4%が目安 | 注文の殺到、長期休暇の設定忘れ、悪天候 |
| 追跡可能率 | 30日間 | 95%が目安 | 95%を下回ったカテゴリーでは出品者出荷の出品資格を停止されることがある。日本では梱包ごとの注文金額1,000円以上(税抜・送料込)が対象 |
改善計画では、指標を悪化させた注文を洗い出し、どの工程で遅れや欠品が生じたのかを特定してから、変えた手順を書きます。
真贋(偽造品の疑い)・品質
正規品でない商品を販売した場合、出品用アカウント(および関連のアカウント)の停止や閉鎖、出品者の費用負担による在庫の廃棄があり得るとされています。購入者が正規品を受け取ったと確認できるまで、売上金が支払われないことも明記されています。
申し立て用の請求書の主な要件
- パフォーマンス通知を受け取る前の365日以内の発行
- 過去365日間の対象ASINの販売数量と手元の在庫をカバーする数量
- 対象の各ASINの販売記録(複数の商品が載っている場合は対象商品を強調表示できる)
- わかりやすい製品コード(商品名・型番など)と仕入先の連絡先情報
- 仕入先が、政府機関や信頼できる第三者の情報源で確認できる確固としたウェブプレゼンスを持っていること
- 改変のない正本(価格情報の削除は可)で、PDF・JPG・PNG・GIFのいずれか
- 完了した出荷済みの取引であること
見積書、出品者自身が発行したもの、仕入先と購入者が同一の事業体と推測されるもの、.xlsxなど編集できる形式は受け付けられず、Amazonが仕入先に確認の連絡をすることもあります。請求書が手元にない場合の考え方は、真贋調査への対応手順を参考にしてください。
知的財産権(商標・著作権・特許・意匠)
| 状況 | ヘルプに示された対処 |
|---|---|
| 一度も出品していない商品で警告を受けた | 通知に返信し、出品したことがない旨を伝える |
| 苦情を申し立てた権利者とライセンスなどの関係がある | 警告に記載の連絡先から権利者に撤回を依頼する |
| 商標・著作権で誤って削除されたと考える | 通知に返信し、理由と真正性を示す請求書または注文番号を提供する |
| 複数の警告を受けている | 対象ASINの一覧と、請求書・注文番号・権利者による権限付与の書面のうち1点以上で異議を申し立てる(Eメールの転送は不可) |
| アカウントが停止された | アカウントのダッシュボードから申し立てるか、停止通知に返信する |
認可書を示す場合は、許諾者・被許諾者・付与内容・地理的範囲・期間の5項目がそろっているかを確認します。侵害の自覚がなくても措置は実施されるとされています。資料の考え方は知的財産権の警告の整理方法でまとめています。
制限対象商品・並行輸入品
出品禁止の商品を販売した場合、販売の停止や在庫の補償なしの廃棄があり得るとされています。ヘルプの商品例は網羅的ではなく、出品可能な例に載っていても法令への適合が必要です。並行輸入品は通常の商品と別の商品詳細ページに出品し、販売形態に「JP Parallel Import」を指定します。正規品のカタログで販売して偽物と受け取られ、キャンセルや警告につながった例があるとヘルプでも注意喚起されています。
商品のコンディション・FBAでの取り扱い
FBAの取り扱いの誤りで通知が届いたと考えられる場合は、「サポートを受ける」ページで「私の問題は掲載されていません」を選んでビンチェックを依頼できます。違反となった商品と同じASIN・SKUで依頼し、審査が完了した(解決済みの)ケースIDを証拠として申し立てに含め、「商品規約の遵守」から申し立てます。審査が完了していないケースは受け付けられません。
本人確認・出品者パフォーマンスの審査
登録住所や銀行口座、電話番号の変更、クレジットカード情報が無効になったことなどをきっかけに、「出品者パフォーマンスの審査」が必要になることがあります(例示で、これに限られません)。「アカウント健全性」ページの「新しい情報を送信」から、パフォーマンス通知のリンクで必要書類を確認して提出します。
審査書類で確認したい点
- 有効期限内で、鮮明で全体が写っている
- 原本のスキャンまたは撮影で、スクリーンショットではない(一部の国を除く)
- 公共料金の請求書は過去90日以内の発行
- 改ざんやパスワード保護がない
- 少なくとも1つの書類の名前と住所が登録情報と一致している
審査には受け取りから最長で2営業日かかるとされています。なお、日本の登録時の本人確認では、マイナンバーカードやマイナ免許証は受け付けられていません。停止後の審査では通知の指定を優先してください。
複数アカウント(関連アカウント)
出品地域ごとに維持できるアカウントは原則1つとされ、例外は、正当なビジネス上の理由があり、かつ保有するアカウントがどれも健全に運用されている場合です。いずれかに問題があると、全アカウントが停止の対象になることがあります。関連の判定基準は公開されていないため、推測で決めつけず、通知の内容と自社側で説明できる事実を整理することから始めます。関連付けを指摘された場合の資料の整理はアカウントの関連付けを指摘されたときの準備で扱っています。
申し立ての共通手順と書き方
提出の形は違っても、準備の進め方には共通する部分があります。ここではアカウント全体が停止された場合の流れを例に整理し、最後に出品者出荷の改善計画の例文を示します。
STEP1. 通知と対象の商品を書き出す
質問書への回答のヘルプでは、審査対象の商品の一覧は最初の通知の下部にあると案内されています。通知によって表示場所は異なるため「商品規約の遵守」もあわせて確認し、対象のASIN・SKUと書類の提出期限を記録シートに書き出します。
STEP2. 根本原因を事実で特定する
公式のガイドラインは、商品や購入者についての説明ではなく、問題につながった事実や出来事に焦点を当てるよう求めています。確認できない仕入先、在庫管理や品質管理の問題など、どの工程のどの手順が欠けていたのかまで掘り下げます。
STEP3. 実施した対応を、日付と書類で示す
すべての問題について、実行した対応を詳細・実施日・関連書類とともに示します。改善計画は一般に、根本原因、実施した対応、再発防止策の3つの要素で整理されることが多く、「いつ」「誰が」「何を変えたか」が読み取れる書き方が基本です。
STEP4. 証拠をそろえ、重要な箇所を強調する
審査中のすべての商品について証拠を用意し、資料のASIN、仕入先名、取引条件などの重要な部分を丸で囲むなどして示します。他のケースの情報や感情的な表現は含めません。
STEP5. 送信し、回答と追加の要請を確認する
「アカウント健全性」ページ上部の「出品用アカウントの再開」から画面の指示に従って作成し、送信します。追加の情報を求められたら、「アカウント健全性」ページの「要請を見る」から提出します。回答が届くまでは最大で2日間程とされています(期間の見方は後述の表とよくある質問を参照)。
改善計画の骨組みの例
次は、出荷遅延率が目安を超えて出品者出荷が停止された場合を想定した例文です。実際の事例ではない想定例のため、自社の事実と日付に置き換えてください。
【根本原因】すべての商品で出荷までの日数を同じ設定にしており、取り寄せ品も同じ日数で受注していたため、入荷が遅れた注文で出荷予定日を過ぎてから出荷通知を送る結果になりました。
【実施した対応】◯月◯日に未出荷の注文をすべて出荷して出荷通知を送信し、◯月◯日に取り寄せ品の出荷までの日数の設定を実際に出荷できる日数へ変更しました(変更前後の設定画面の記録を添付します)。
【再発防止策】毎日の締め時刻に未出荷の注文と出荷予定日の一覧を担当者が確認して記録を残し、長期休暇の前には休暇の設定を2名で確認します。
組み立て方は改善計画の組み立て方で、通知の確認から申請までの流れはアカウント停止から再開申請までの全体像で詳しく説明しています。
停止対応で関わる期限と、お金・在庫の扱い
停止や警告への対応では、起算点の異なる期限や期間がいくつも関わってきます。通知を起点に数えるもの、過去にさかのぼって数えるもの(請求書の365日、評価の180日など)、最終販売日から数えるものが混ざっています。いずれも再開までの期間を示すものではありません。
| 期間 | 何の期間か |
|---|---|
| 3日間 | 重大な違反・繰り返し違反の上限到達から停止までの猶予(ヘルプ上の説明。直ちに停止される場合もある) |
| 72時間 | 5問のクイズの回答期限(注文不良率・キャンセル率のヘルプに記載。バナーの表示を確認)/アカウント健全性アシュアランスの対象者が連絡をとる期限 |
| 最大で2日間程 | 申し立てへの回答が届くまでの目安 |
| 最長で2営業日 | 本人確認書類の審査 |
| 30日 | 停止などを理由に撤去が必要と通知された取扱不能ユニットについて、返品・処分を指示する期間(FBA) |
| 60日 | 売上金の留保日から、別途の異議申し立てができるようになるまで |
| 90日 | 売上金の留保の原則的な期間(延長あり)/解約前に最終販売日から待つ期間 |
| 180日 | アカウント健全性の評価と繰り返し違反の集計期間 |
| 365日 | 申し立て用の請求書の発行日と、販売数量をカバーする期間 |
売上金の留保
リスクがあると判断された場合、売上金は原則90日間留保され、必要に応じて延長されます。異議がある場合は留保の通知やセラーセントラルに記載の手順で申し立て、解除されない場合は留保日から60日経過後に、ヘルプに記載された支払い関連の連絡先へ別途申し立てることもできます。確認方法は停止後の売上金の確認方法で整理しています。
FBA在庫の調査と返送・処分
FBA在庫が偽造品や制限対象商品の疑いで留保されると、追加の情報や書類を求められることがあり、期限までに提出しない場合や偽造文書の提出を含めて不適切と判断された場合は、在庫が廃棄されることがあります。また、出品契約のFBAサービス条件では、アカウントの停止などを理由に撤去が必要と通知された取扱不能ユニット(在庫)について、通知から30日以内(またはプログラムポリシーで定められた期間内)に返品・処分の指示がない場合、Amazonが処分できると定められています。個々の在庫の扱いは通知の指示を確認し、撤去通知の日付も記録シートに残してください。
自分で解約しても再開の近道にはならない
出品者自身が解約したアカウントは、再び有効化できません。解約前の手順には、最終販売日から90日間(Amazonマーケットプレイス保証の申請期間)待つことや、パフォーマンス通知で停止の理由がすべて解決され、アカウントが回復していることの確認が挙げられています。停止を解決しないまま解約して新たに登録し直すことは、出品地域ごとに原則1アカウントとするルールに照らしても、再開の手段にはなりません。解約後はログインも注文履歴の閲覧もできなくなります。
やってはいけない対応
次の行動は、状況をかえって悪くするおそれがあります。
- 新しいアカウントで販売を続ける:出品地域ごとのアカウントは原則1つとされ、例外は正当な理由があり、健全に運用されている場合です。また、Amazonのシステムを回避しようとする行為が疑われる場合は、アカウント健全性の評価にかかわらず停止されることがあるとヘルプに明記されています。停止を解決しないまま別のアカウントで販売を続けることは、この規約に照らして認められず、再開の手段にもなりません。家族や別法人の名義で開設する場合も、停止を避ける目的であれば同じ規約に照らして問題になるおそれがあります。
- 書類を加工する、自分で作る:請求書は改変のない正本が必要で、偽造文書の提出は在庫廃棄の理由としても明記されています。手元にない書類は、実際の取引内容(発行日・品目・数量)を変えずに、発行済みの請求書を正本のまま改めて送ってもらえるか仕入先に相談します。実際と異なる日付や数量で発行してもらった書類は、改ざん・偽造と判断されるおそれがあります。また、発行日が通知の受領後になる書類は、請求書の発行日要件を満たさない可能性があります。
- 審査中に書類を何度も送り直す:十分な時間が経たないうちの再提出や、不正確な書類の再送は避けるよう案内されています。
- メールのリンクから手続きする:セラーセントラルに直接ログインして画面を確認します。
- 競合への対抗として権利侵害を報告する:出品中のアカウントを持つ人が、自分のアカウントに利益をもたらす目的でブランドの代理人として報告した場合、出品用アカウントが解約されることがあります。
- 未出荷の注文や購入者対応を止める:停止の通知でも未出荷の注文をすべて出荷するよう求める記載がある例があり、出荷遅延率のヘルプでも、まず受注済みの注文をすべて出荷して出荷通知を送ることが挙げられています。購入者からの問い合わせにも対応を続けます。
- 期限を過ぎるまで放置する:3日間や72時間など、短い期限が設けられている場面があります。
再開後の再発防止と相談先の使い分け
繰り返し違反は180日の期間で数えられるため、再開直後の半年間は特に点検の頻度を上げておくと安心です。
再開後、週に一度は確認したいこと
- アカウント健全性の評価の数値と色、違反の一覧の変化
- 「商品規約の遵守」ページの「アカウント健全性の評価の影響」列に、繰り返し違反のラベルが付いていないか
- 出品者出荷の各指標の推移
- パフォーマンス通知の新着と、緊急連絡先の電話番号
- 記録シートに、前回と同じ原因につながる出来事がないか
守りの目標として意識したいのが「アカウント健全性アシュアランス」です。対象は、評価を少なくとも6か月間250以上に保ち(250を下回った日が10日以内)、緊急連絡先として有効な電話番号を登録している大口出品者で、条件を満たすと自動で登録されます。登録されていれば、問題の解決を求める連絡があってから72時間以内にAmazonへ連絡し、協力して解決に取り組んでいる間は停止されない仕組みです。緊急連絡先の電話番号は「通知設定」ページの緊急通知で確認できます。ただし、詐欺・虚偽・違法などの行為への関与が判明した場合は措置がとられます。
相談先の使い分け
| 相談先 | 内容と注意点 |
|---|---|
| アカウント健全性サポート | 大口出品者がアカウント健全性ページの「お問い合わせ」から、停止の回避や回復に必要な情報の送信などを相談できる。大口出品者でない場合はヘルプ、出品大学、セラーフォーラムが案内されている |
| デジタルプラットフォーム取引相談窓口(オンラインモール利用事業者向け) | 経済産業省の委託事業で、出品事業者の取引上の悩みに無料で助言する。あっせんや仲介は行わず、申し立ての代わりにはならない |
| 弁護士・税理士 | 契約や法令の解釈、停止中の経理や税務の扱いを確認する |
Amazon.co.jp(提供者:アマゾンジャパン合同会社)は、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)に基づき、総合物販オンラインモールの特定デジタルプラットフォームとして指定されており、同法は出品者への提供を拒絶する場合の理由の開示などを定めていますが、例外もあります。個別の停止への当てはめは法的な判断になるため、弁護士に相談してください。
よくある質問
Q. 申し立てから再開までどのくらいかかりますか?
A. 再開までの期間について公式に示された数値はありません。「最大で2日間程」は回答が届くまで、「最長で2営業日」は本人確認書類の審査の目安です。追加要請もあり得るため、見込みで決めず記録しながら対応してください。
Q. どの停止でも改善計画を書く必要がありますか?
A. 必要とは限りません。出品者出荷の指標ではクイズで対応できる場合があり、商品のコンディション(商品説明を含む)に関するポリシー違反の申し立てでは、改善計画は受け付けられないと明記されています。そのほかの違反では、通知が求める提出の形を確認してください。
Q. アカウント健全性の評価が緑なのに停止されたのはなぜですか?
A. すべてのポリシーが評価の対象ではなく、不正などが疑われる場合はスコアにかかわらず停止される場合があります。出品者パフォーマンスの審査など別の理由もあり得るため、パフォーマンス通知の理由を確認してください。
Q. 申し立てが認められなかった場合、同じ内容を送り直してよいですか?
A. そのまま送り直すのは避け、却下や追加要請の理由をパフォーマンス通知で確認し、足りない情報や書類を補ってから提出します。
Q. 海外のAmazonでも出品しています。手続きは同じですか?
A. 申し立ての画面の流れは日米でほぼ同じですが、出品契約はマーケットプレイスごとに異なります。米国版には停止・終了の事由に「法律により求められる場合」が加わり、紛争は原則として仲裁で解決すると定められています。国ごとに契約と通知を確認してください。
まとめ
本記事のポイントを振り返ります。
- 最初に「措置の範囲」「表示される画面」「期限」を切り分け、メールではなく画面を基準にする
- 提出の形はクイズ、改善計画、選択式の申し立て、書類提出など原因ごとに異なり、改善計画が受け付けられない申し立てもある
- 申し立ては事実に基づく根本原因、日付と書類で示す対応、再発防止策を簡潔に書き、審査中に書類を繰り返し送らない
- 新しいアカウントでの販売は規約違反にあたり、書類の加工は在庫廃棄の理由にもなる。解約しての作り直しも再開の手段にはならない
- 通知・提出・回答を記録シートに残し、180日の期間を意識して再発を防ぐ
迷う場合は、記録シートに事実を整理したうえで、アカウント健全性サポートや専門家への相談も検討してください。
※本記事は一般的な解説です。個別のケースは状況により対応が異なります。




