セラーセントラルの「アカウント健全性」に表示されるスコアが下がった、黄色や赤の表示が出た、警告がいくつも並んでいてどこから手をつければよいか分からない。そんな出品者の方に向けた記事です。スコアが増減する仕組みと画面の点検手順、警告を重大度で仕分けて対応する優先順位、再審議と異議申し立ての使い分け、日頃の点検の習慣までを順に整理します。
アカウント健全性スコアとは|0〜1,000の数値と3つの色
「アカウント健全性の評価」(Account Health Rating、略してAHR)は、特定の出品ポリシーに準拠していないことを理由に、出品用アカウントが停止されるリスクを示す指標です。セラーセントラルの「パフォーマンス」→「アカウント健全性」のページに、0〜1,000の範囲のスコアと色分けで、ほぼリアルタイムに表示されます。複数の国のストアで出品している場合は、ストアごとに別々の評価が表示されます。
本記事は、2026年9月時点で確認できたAmazonの公式資料(ヘルプのPDF版や、セラーフォーラムでのAmazonからのお知らせ)をもとにしています。規約や画面の表記は変わることがあるので、実際の画面とヘルプの最新の内容もあわせて確認してください。
3つの区分と、それぞれの意味
| 色 | 表示 | スコア | 意味 |
|---|---|---|---|
| 緑 | 健全 | 200〜1,000 | 評価の対象となるポリシーを理由に停止されるリスクはない状態 |
| 黄 | リスクあり | 100〜199 | アカウントが停止されるリスクがある状態 |
| 赤 | 健全でない | 99以下 | 停止の対象になっているか、すでに停止されている状態 |
赤の区分は、公式資料の中でも「不健全」「健全でない」と表記が分かれています。問い合わせの際は、画面に表示されている区分名をそのまま伝えてください。
現在の数値によるスコア表示は、2023年6月15日のリニューアルで従来の色分けに加わったもので、2023年9月13日から改定後の強制措置のプロセスが適用されています。色が緑のままでも数値は変動するため、週に一度はスコアの数値を記録しておくと、下がり始めた時期と原因を突き合わせやすくなります。
「緑」でも停止されないとは限らない
緑は「AHRの対象ポリシーを理由とした停止のリスクがない」という意味で、あらゆる停止から守られている状態ではありません。公式のよくある質問では、法令で義務付けられている場合、不正・虚偽・違法その他の有害な行為(Amazonのシステムを逸脱しようとする行為を含む)が疑われる場合、AHRの対象外のポリシーに違反した場合には、スコアにかかわらず直ちに停止されることがあると説明されています。
どのポリシーがスコアの対象になっているかは、セラーセントラルにログインした状態でヘルプの「アカウント健全性の評価に含まれるポリシー」を検索して確認してください。対象は更新されることがあるため、新しいカテゴリーの商品を扱う前にも見直しておくと安心です。
スコアは点検の入口の一つと考え、この記事の後半で扱うパフォーマンス指標や通知もあわせて確認することが大切です。

スコアが増減する仕組み|加点・減点と180日の期間
公式のよくある質問では、スコアの計算方法が次のように説明されています。計算式や点数は、出品者からのフィードバックをもとに将来変更される可能性があるとAmazon自身が明記している点も押さえておきましょう。
- 新規の出品者は200から始まる
- 事業の規模を反映するため、過去180日間に正常に出荷した注文200件につき4点が加算される
- 新しい規約違反が見つかるたびに減点される。減点幅は重大度に応じて通常2〜8点
- 「重大」の違反が検出されると、スコアは自動的に0になる
- 同じポリシーへの違反を繰り返すと、そのたびに減点幅が大きくなる(英語版の資料では、場合によっては違反のたびに減点が倍になると説明)
- 違反に適切に対応すると、その分のスコアを取り戻せる
注意したいのは、違反ごとの減点数がダッシュボードには表示されていない点です(公式資料の作成時点の説明)。「この違反で何点下がったのか」を画面から正確に知ることはできないため、点数の逆算にこだわるより、未対応の違反を一つずつ減らしていくほうが実務的です。
計算の例(公式の説明をもとにした概算)
仕組みをつかむために、公式の説明をもとにした概算の例を示します。実際の事例ではなく、画面に表示される数値と一致しないこともある点に注意してください。
- 過去180日間に正常に出荷した注文が1,000件:出荷による加点は1,000÷200×4=20点。違反がなければ概算で220前後
- 同じ条件で、仮に6点の減点となる違反が1件ある場合:概算で214前後
- 過去180日間に正常に出荷した注文が3,000件:加点は60点。違反がなければ概算で260前後
この例から分かるのは、出荷件数が少ないうちは加点が小さく、緑と黄の境目である200に近い位置にいるため、計算上は違反1件でも黄色の範囲に入ることがあり得るということです。スコアの数字そのものよりも、「緑の範囲にどれだけ余裕があるか」を意識しておくと、次に打つ手を判断しやすくなります。
新しい違反がないのにスコアが下がる理由
スコアは、過去180日間のポリシー遵守状況と販売活動をもとに計算されます。そのため、正常に出荷した注文も、出荷から180日を過ぎると計算の対象から外れ、その分の加点がなくなります。繁忙期が終わって出荷件数が落ち着いた時期などは、新しい違反がなくてもスコアが下がることがあります。反対に、過去の違反が180日の期間を過ぎれば、その分だけスコアが上がることもあります。
「何もしていないのに下がった」と感じたときは、まず違反の一覧に新しい項目が増えていないかを確認し、増えていなければ直近半年の出荷件数の推移を見比べてみてください。原因の切り分けが早くなります。
点検の手順|どの画面で何を確認するか
スコアの点検は、数字を眺めて終わりにせず、違反の中身、通知、連絡先までを一続きで確認するのがポイントです。次の順番で見ていくと、見落としを減らせます。
STEP1. 「アカウント健全性」ページで全体像をつかむ
セラーセントラルの「パフォーマンス」→「アカウント健全性」を開きます。このページには、パフォーマンスの目標とポリシー遵守の達成状況の概要がまとめて表示されます。Amazonの出品大学の英語資料では、ページは大きく「カスタマーサービスのパフォーマンス(注文不良率)」「ポリシー遵守(アカウント健全性の評価と違反の一覧)」「出荷のパフォーマンス(出荷遅延率、出荷前キャンセル率、追跡可能率。出品者出荷の注文のみ)」の3つに分かれていると説明されています。日本語画面での見出しの表記は異なる場合があるため、「スコアが表示されている区画」と「指標の数値が並ぶ区画」を分けて確認してください。
STEP2. 違反の一覧と「影響」列を確認する
ポリシー遵守の区画には、スコアの対象になっている違反が一覧で表示されます。各違反を開くと、内容と次に取るべき手順が案内されます。同じポリシーへの違反を繰り返している場合は、「影響」列に繰り返し違反のラベルが付きます。2025年7月23日のポリシー更新以降は、違反の繰り返しがあると、該当するポリシーとあわせてダッシュボード上部の目立つ場所にも表示されるとされています。ラベルの有無は、同じ重大度の中でどの違反から対応するかを決める材料になるので、見落とさないようにしましょう。
STEP3. 「商品規約の遵守」で商品ごとの違反を見る
商品ごとのポリシー違反は「商品規約の遵守」で確認し、違反ごとに申し立てを行います。英語版の出品大学資料によると、このページでは削除された出品情報や画像の履歴、現在のステータス、販売を再開するための次のステップを確認できます。どの商品が、どの規約に関して、いつ対象になったのかを記録しておくと、原因の分析や再発防止策を考えるときに役立ちます。
違反ごとに記録しておきたい項目
- 表示された日付と対象の商品(ASIN・SKU)
- ポリシー名と重大度
- 「影響」列の表示(繰り返しのラベルの有無)
- 選んだ対応(再審議・異議申し立て)と提出日
- 結果と、スコアの変化
STEP4. 「パフォーマンス通知」と通知メールを読む
Amazonは、アカウント健全性に関する連絡を「パフォーマンス通知」で行います。セラーセントラルのメニュー(画面左上の「≡」)→「パフォーマンス」→「パフォーマンス通知」で開けます。警告のメールには、たとえば「アカウント健全性ページに表示されている警告を確認し、警告の横にある手順に従って必要な情報を提出する」よう求める趣旨の案内が書かれていることがあり、通知によっては提出の期限が記載されている場合もあります。期限の日数は通知ごとに異なる可能性があるため、一般的な目安に頼らず、届いた通知の記載を確認してください。
通知の内容や再開の方法が分からない場合は、アカウント健全性ダッシュボードの[お問い合わせ]ボタンからスペシャリストに連絡するよう案内されています。連絡前に整理しておきたい事項は、アカウントヘルスサポートへ相談する前の準備でまとめています。
STEP5. 緊急連絡先と、複数ストアの通知を確認する
「設定」→「通知設定」の「緊急通知」で、緊急連絡先の電話番号を確認できます(メニューの位置や表記は変わることがあります)。この番号は出品用アカウントに重大な問題が起きたときの連絡に使われ、重大な違反の猶予期間中には、アカウント健全性スペシャリストから電話が来ることがあります。Amazonも最新の状態に保つよう勧めているので、担当者の異動や番号の変更があるたびに見直してください。
複数の国のストアで販売している場合は、評価も通知もストアごとに異なることがあります。日本のストアだけを見て安心せず、販売しているストアそれぞれの画面を定期的に確認しましょう。
| 確認する場所 | 主に見ること |
|---|---|
| 「パフォーマンス」→「アカウント健全性」 | スコアと色、違反の一覧、各指標の概要 |
| 違反の一覧の「影響」列 | 繰り返し違反のラベルが付いていないか |
| 「商品規約の遵守」 | 対象の出品情報、現在のステータス、次の手順 |
| 「パフォーマンス」→「パフォーマンス通知」 | 警告や停止の内容、提出の期限の記載 |
| 「設定」→「通知設定」の「緊急通知」 | 緊急連絡先の電話番号が最新かどうか |
警告の重大度を読む|重大・高・中・低の違い
違反には「重大」「高」「中」「低」の4段階の重大度があります。Amazonは、顧客満足度をどれだけ損なうか、法令、同じポリシーへの過去の違反回数などを考慮して重大度を判断するとしています。公式資料に示された定義と例を整理すると、次のとおりです。
| 重大度 | 公式の定義(要旨) | 公式資料に挙げられた例 |
|---|---|---|
| 重大 | 購入者に深刻で許容できない影響を与える、または法令違反・他者の権利侵害にあたる違反。1件でも停止の対象(公式FAQでは、通知から停止まで3日間の猶予期間があると説明) | 試買で偽造品・海賊版と判定された商品、商品レビューの勧誘やポリシーに違反する同梱物(折り込み広告)、他の出品者への損害や嫌がらせ、検索結果や売上ランキングの操作 |
| 高 | 購入者への悪影響や法令違反の可能性から、許される余地が最小限の違反 | 権利者からの有効な権利侵害の通知、権利侵害品や偽造品だという購入者からの報告 |
| 中 | 続けば購入者や出品者の信頼を大きく損なうおそれがある違反 | 外部サイトへ誘導するリンクを含む出品情報 |
| 低 | 頻度が低く軽微であれば許容される違反 | 期限切れや誤ったコンディション(中古品を新品として出品するなど)だという購入者からの報告 |
同じ種類の違反でも、購入者や他の出品者に与える影響が変われば、重大度が変更されることがあります。また、一部の違反は購入者の苦情や権利者の通知をもとに判断されます。判定が誤りだと考える場合は、アカウント健全性ページで該当する違反を開き、案内に従って連絡します。
なお、不正・虚偽・違法・有害な行為はこの重大度の表の対象外で、前述のとおりスコアとは別に停止の対象になり得ます。「表に当てはまらないから軽い」と判断しないようにしてください。
改善の優先順位|警告を仕分ける順番
Amazonは、アカウント健全性ページに表示されるすべての違反に、重大度が最も高いものを優先しながら速やかに対応することを勧めています。この原則を軸に、停止までの期限と繰り返し違反のラベルを加味すると、実務では次の順番で仕分けると整理しやすくなります。
| 順番 | 対象 | 優先する理由 |
|---|---|---|
| 1 | 「重大」の違反(スコア0・赤) | 停止までの猶予が3日間しかない |
| 2 | 「高」の違反 | 許される余地が最小限で、繰り返しの上限回数も低く設定されやすい(2025年7月以降は2回になる可能性) |
| 3 | 「中」→「低」の違反 | 減点幅は重大度に基づいて決まり、「低」でも繰り返すと減点が増えて上限回数に近づく |
| 各段階の中で | 「影響」列に繰り返しのラベルが付いた違反を先に | 上限に達すると「重大」の違反として扱われ(スコア0・赤)、3日以内に対応しないと停止される |
| 別枠 | 注文不良率・出荷に関する指標 | スコアとは別に目標値があり、外れると停止につながることがある |

優先1. 「重大」の違反は3日間の猶予内に動く
「重大」の違反が検出されると、アカウント健全性ページとEメールで通知され、評価は赤・スコア0になります。停止されるまでには3日間の猶予期間があり、その間に対応が完了すれば停止されず、スコアも更新されると説明されています。猶予期間中は、アカウント健全性スペシャリストから電話でサポートが入ることもあります。
3日間は短いため、通知を受けたら次の作業を並行して進めます。
- 通知と違反の詳細を開き、対象の商品・行為・求められている対応を書き出す
- 仕入れ・出品・出荷の担当者と事実関係を確認し、判定が正しいのか誤りなのかを見極める
- 判定が誤りなら根拠となる資料をそろえ、事実なら原因と是正措置、再発防止策を具体的にまとめる
- 緊急連絡先の電話に出られる体制を整えておく
優先2・3. 「高」→「中」→「低」の順に解消する
「重大」の違反に目途がついたら、残りの違反を重大度の高い順に対応します。「高」は、購入者への悪影響や法令違反の可能性から許される余地が最小限とされる違反で、繰り返しの上限回数も重大度が高いほど低く設定されると説明されています。「低」だからと放置すると、同じポリシーで繰り返したときに減点が大きくなり、上限回数にも近づきます。また、「リスクあり」(黄色)の状態で違反に対応しないままだと停止のリスクは残り、英語版の資料では、対応がなくAmazonからも連絡が取れない場合は停止される可能性が高いと書かれています。件数が多いときは、同じ原因から生じている違反をまとめて把握し、原因ごとに対策を打つほうが効率的です。
同じ重大度の中では、繰り返しのラベルが付いた違反を先に
同じ重大度の違反が複数あるときは、「影響」列に繰り返しのラベルが付いたものから手をつけます。同じポリシーへの違反を繰り返すと、違反1件あたりの減点が増え(重大度の高い違反の繰り返しほど影響が大きい)、上限回数に達すると「重大」の違反として扱われます。この場合も3日以内に対応しなければ停止に至ります(詳しくは後述)。2025年7月23日からはこのルールの対象が、権利侵害と制限対象商品の2分野から、アカウント健全性の評価の対象となるすべてのポリシーに広がりました。重大度の高い違反では、上限が2回になる可能性があるとされています。
更新前の公式資料(2025年3月に作成されたヘルプのPDF版)では、180日以内の上限回数を、ほとんどの場合で権利侵害に関するポリシーは5回、制限対象商品に関するポリシーは2回と説明していました。更新後のポリシーごとの上限回数は本記事の執筆時点で確認できていないため、現在の回数は画面とヘルプで確かめ、「まだ余裕があるはず」と見込みで判断しないことが大切です。
2025年3月作成の公式FAQでは、繰り返し違反が上限に達すると、その違反は「重大」として表示され、Eメールで通知されると説明されています。評価は赤・スコア0になり、停止までに3日間の対応期間があります。アカウント健全性ページ上部のバナーの手順に従い、「商品規約の遵守」ダッシュボードから再審議の申し立てを行い、3日以内に対応しない場合は、申し立てが完了するまで停止されるという流れです。更新後の表示や手順は、実際のバナーと通知で確認してください。
権利侵害の警告が続いているなら知的財産権の警告の整理方法を、制限対象商品なら制限対象商品の警告への対応手順をあわせて確認し、同じ原因の出品が他に残っていないかを洗い出してください。
別枠で確認. 注文不良率などパフォーマンス指標の目標値
公式に説明されているスコアの計算要素は「違反による減点」と「正常出荷による加点」で、注文不良率などのパフォーマンス指標は計算式に挙げられていません。ただし、これらの指標にはスコアとは別に目標値があり、目標を外れると停止につながることがあります。スコアが緑でも、指標は別枠で点検してください。
| 指標 | 対象期間 | 目標 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 注文不良率 | 60日間 | 1%未満 | 低い評価、却下されなかったAmazonマーケットプレイス保証申請、クレジットカードのチャージバックが「不良」に含まれる |
| キャンセル率(出荷前キャンセル率) | 7日間 | 2.5%未満 | 出品者都合でキャンセルした注文の割合。出品者出荷のみ |
| 出荷遅延率 | 10日間または30日間 | 4%未満 | 出荷予定日を過ぎてから出荷通知を送った注文の割合。出品者出荷のみ |
| 追跡可能率 | 30日間 | 95%を下回らない | 商品カテゴリーごとに計算。下回ったカテゴリーは自社出荷での販売資格が停止される場合がある。出品者出荷のみ |
これらの数値は2021年の日本語資料に基づくもので、細部が変わっている可能性があります。このほかに期日内配送率などの指標が表示される場合もあり、扱いは時期やストアによって異なることがあります。現在の目標値は、アカウント健全性ページの表示とヘルプで確認してください。指標ごとの改善策は、注文不良率の見直し方、出荷遅延率の改善策、追跡可能率(有効追跡率)の改善方法で詳しく扱っています。
再審議と異議申し立て|違反への対応方法の選び方
スコアを上げる公式の方法は2つあります。1つは注文を正常に出荷していくこと(出荷実績による加点)、もう1つはアカウント健全性ページから未解決の違反に対応することです。違反への対応には「再審議」と「異議申し立て」があり、どちらかが認められれば、その違反とスコアへの影響が取り消されます。
| 項目 | 再審議 | 異議申し立て |
|---|---|---|
| 考え方 | 違反があったことは認めたうえで、改善を示す | 違反の判定そのものが誤りだと主張する |
| 向いている場面 | 出品情報の誤りや確認不足など、事実として違反があった場合 | 対象の規約に当たらない、正規の商品であるなど、判定に誤りがある場合 |
| 準備するもの | 原因の分析、実施した是正措置、再発防止策 | 判定の誤りを示す資料(通知や違反の詳細で求められているもの。例として、仕入れの請求書、権利者からの許諾を示す書類、出品情報の記録など) |
違反がページから削除されるのは、たとえば、異議申し立てが認められて判定の誤りが確認されたとき、権利者が知的財産侵害の申し立てを撤回したとき、再審議が認められ、違反はあったものの故意ではなく許されるべきだとAmazonが判断したとき、などです。対応が確認されると、評価は数時間以内に更新されると説明されています。
選ぶときに気をつけたいこと
- 再審議で削除された違反でも、違反の事実自体に異議を申し立てていないものは、180日以内の繰り返し上限の回数に数えられることがあります。一覧から消えても、繰り返しの回数まで消えるとは限りません。
- 事実として違反があるのに異議申し立てを選ぶのは避けてください。説明と事実が食い違うと、その後の申し立て全体の信頼性を損ねるおそれがあります。
- 知的財産権の違反は、種類によっては出品情報を削除するだけでは解消しない場合があります(Amazonスタッフによるフォーラムでの回答)。パフォーマンス通知を確認し、必要に応じてサポートに問い合わせてください。
再審議で伝える内容の例
次は、「低」の例に挙がっている、誤ったコンディション(中古品を新品として出品)の報告を受けた場合を想定した、説明の骨組みの例文です。実際の事例ではないため、自社で起きた事実に合わせて書き換えてください。
対象の出品情報のコンディションを「新品」として登録していましたが、実際には購入者から返品された開封済みの商品が在庫に含まれていました。原因は、返品された商品を再び出品する際に、検品と出品コンディションの確認を行う手順を定めていなかったことです。
対応として、該当する出品情報のコンディションを修正し、同じ在庫から出荷する予定の注文をすべて点検しました。
再発防止のため、返品された商品は検品記録をつけて通常の在庫とは別の棚で管理し、再出品の際は担当者2名でコンディションを確認する手順に改めました。
原因・是正措置・再発防止の3点を、誰が、いつ、何をしたのかまで具体的に書くのが基本です。組み立て方の詳細は改善計画の組み立て方を参考にしてください。
アカウントが停止された場合
スコアが原因で停止された場合も、再審議か異議申し立てが認められてスコアが100以上に戻ると、アカウントは再開されると公式のよくある質問で説明されています。また、停止の原因になった問題を解決するための「パフォーマンス改善計画」を提出して申し立てる方法も案内されており、改善計画には一般に、問題の根本原因、問題を解決するためにとった措置、再発防止策の3つを含めます。停止通知の読み方から申し立てまでの流れは、アカウント停止から再開申請までの全体像で整理しています。

やってはいけない対応
焦って取った行動が、状況をかえって悪くすることがあります。次の対応は避けてください。
- 別のアカウントを作って販売を続ける:停止や警告を回避する目的で新しいアカウントを作ることは規約違反にあたり、問題を大きくします。
- 請求書などの書類を加工・偽造する:書類の改ざんや、事実と異なる書類の作成は虚偽の行為にあたり、スコアに関係なく停止につながるおそれがあります。手元にない資料は、仕入れ先に正規の再発行を依頼するなど、正しい方法で用意します。
- 判定が正しいのに異議申し立てを繰り返す:通るまで送り直すのではなく、事実に合った対応方法を選び直します。
- 出品情報を消しただけで終わりにする:違反の種類によっては削除だけでは解消せず、同じ原因の出品が他に残っていれば再発にもつながります。
- ひな形の文章をそのまま提出する:自社で何が起き、何を変えたのかが読み取れない説明では、改善の中身が伝わりません。
- 通知を放置する、期限を見落とす:「リスクあり」のまま対応しなければ停止のリスクは残り、「重大」の違反は3日間の猶予を過ぎると停止に至るおそれがあります。
- 評価やランキングを操作しようとする:商品レビューの勧誘や売上ランキングの操作は、それ自体が「重大」の例に挙げられている違反です。
予防の点検ルーティン|スコアの余裕を保つ
スコアの点検は、問題が起きてから慌てて行うより、定期的な確認で小さな変化に気づくほうが負担は小さく済みます。確認する頻度を分けて、担当者の業務に組み込んでおくのがおすすめです。
出品作業のある日に確認すること
- パフォーマンス通知とAmazonからのメールに新しい連絡がないか
- アカウント健全性の色とスコアに変化がないか
- 違反の一覧に新しい項目が増えていないか
週に一度確認すること
- 「影響」列に繰り返しのラベルが付いた違反がないか
- 「商品規約の遵守」で新たに削除された出品情報がないか
- 出品者出荷の出荷遅延率・キャンセル率・追跡可能率の推移
- 注文不良率につながる低い評価、保証申請、チャージバックの発生状況
月に一度確認すること
- 直近半年の出荷件数の推移と、スコアへの影響の見込み
- 緊急連絡先の電話番号と、電話に出られる担当者の体制
- 販売しているすべてのストアの評価と通知
- 新しく扱う商品について、権利関係や制限対象かどうかを確認した記録
スコアの点検は「色と数値」「違反の中身と繰り返しのラベル」「パフォーマンス指標」「通知と緊急連絡先」の4点をセットで行うと、見落としが減ります。
大口出品者は「アカウント健全性アシュアランス」も意識する
日本では2024年4月24日に「アカウント健全性アシュアランス」が始まりました。アカウント健全性の評価を6か月以上250以上に保ち(250を下回るのは10日まで許容)、有効な緊急連絡先を登録している大口出品者が対象で、対象者は自動で登録され、費用はかかりません。停止につながる問題が起きた場合、アカウント健全性スペシャリストが問題の内容と対処方法を説明し、問題の発生から72時間以内に連絡が取れて、Amazonと協力して解決に取り組んでいる間はアカウントが停止されない、という仕組みです。対象条件は開始時のお知らせに基づくもので、変更されることがあります。現在の条件はセラーセントラルのヘルプやお知らせで確認してください。
緑の範囲(200以上)にいるだけでは250に届かないこともあるため、スコアを「200を割らないか」だけでなく「250以上を保てているか」という目線でも見ておくと、守りの余裕が生まれます。ただし、詐欺・虚偽・違法・有害な行為といった重大なポリシー違反では、対象者であっても直ちに停止などの措置がとられることがあります。また、対象者でも停止されないのは、72時間以内に連絡が取れ、Amazonと協力して解決に取り組んでいる間に限られます。緊急連絡先の電話に確実に出られる担当者と体制を決めておくことが、この仕組みを生かす前提です。
よくある質問
Q. スコアが黄色(100〜199)になったら、すぐに停止されますか?
A. 黄色は「停止のリスクがある」状態で、公式の区分で停止の対象になっているか停止済みとされるのは赤(99以下)です。ただし、黄色のまま違反に対応しなければリスクは残ります。また、「重大」の違反はスコアが0になり、3日間の猶予を過ぎると停止に至るおそれがあるため、色だけでなく違反の中身を確認してください。
Q. 違反に対応したのに、スコアが戻りません。
A. 対応が確認されると、評価は数時間以内に更新されると説明されています。時間がたっても変化がない場合は、申し立てが送信済みになっているか、追加の情報を求められていないかをパフォーマンス通知で確認してください。内容が分からなければ、前述の[お問い合わせ]ボタンからスペシャリストに相談できます。
Q. 注文不良率が悪化すると、スコアも下がりますか?
A. スコアとは別枠です。注文不良率には1%未満という別の目標があり、1%以上になると停止される可能性があります。目標値は前述の表を参照してください。
Q. 再審議で違反が一覧から消えれば、繰り返しの回数もリセットされますか?
A. リセットされない場合があります。違反の事実に異議を申し立てずに再審議で削除されたものは、180日以内は上限回数に数えられることがあると公式に説明されています。同じ原因を断つ仕組みづくりが重要です。
Q. 身に覚えのない違反が表示されています。どうすればよいですか?
A. 一部の違反は、購入者の苦情や権利者からの通知をもとに判断されます。まず違反を開いて対象の商品と日付を確かめ、仕入れや出品の記録と照らし合わせてください。判定が誤りだと考えられる場合は、案内に従って異議申し立てを行います。確認の結果、事実として違反があったと分かった場合は、再審議で原因と改善を示す対応に切り替えます。
Q. FBAだけで販売しています。出荷に関する指標は見なくてよいですか?
A. 出荷遅延率・キャンセル率・追跡可能率は、出品者出荷の注文にのみ適用されると説明されています。一方で、注文不良率やポリシー遵守の違反は出品者出荷に限った項目とはされていないため、FBAだけで販売している場合も、違反の一覧と注文不良率の表示はあわせて確認してください。
まとめ
アカウント健全性スコアは、過去180日間の違反による減点と正常出荷による加点で動く、停止リスクの目安です。点検と改善のポイントを振り返ります。
- スコアは0〜1,000。緑(200〜1,000)・黄(100〜199)・赤(99以下)の区分とあわせて、違反の中身を確認する
- 対応の順番は重大度の高い順(重大→高→中→低)が基本。同じ重大度の中では繰り返しのラベルが付いた違反を先に。パフォーマンス指標は並行して確認する
- 判定が誤りなら異議申し立て、違反を認めるなら原因・是正措置・再発防止をそろえて再審議を選ぶ
- 緑でも停止されないとは限らない。通知、緊急連絡先、ストアごとの評価を定期的に確認する
警告が複数重なっているときほど、一つずつ事実を確かめ、重大度の高いものから順に手を打つことが大切です。通知の読み方や対応の方針に迷う場合は、状況を整理したうえで早めに専門家へ相談することも検討してください。
※本記事は一般的な解説です。個別のケースは状況により対応が異なります。




