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Kindle(KDP)のアカウント停止に対応する|通知・出版物・再開申請の確認

公開日:2026-09-26更新日:2026-09-27
Kindle(KDP)のアカウント停止に対応する|通知・出版物・再開申請の確認

KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)でアカウント停止の通知が届いた、「本棚」の本が「ブロック」になった、ロイヤリティの入金が止まった。そんな著者・出版者の方に向けて、何が止まったのかの切り分け方、通知と本棚の確認手順、停止の原因になり得るルール、再開申請(異議申立て)の組み立て方、ロイヤリティとデータを守るための注意点を、KDPの公式ヘルプと利用規約に沿って順に整理します。

KDPの停止は出品用アカウントとは別の仕組み|最初に前提をそろえる

KDPはセラーセントラルとは別のサービスです。管理画面は「KDP」(kdp.amazon.co.jp)で、適用される契約も出品者向けの規約ではなく「Kindle ダイレクト・パブリッシング利用規約」(以下、KDP利用規約)です。出品用アカウントで見慣れた「アカウント健全性」のページや、出品者向けの改善計画の書式はKDPには出てきません。

本記事は、2026年9月時点で確認できたKDPの公式ヘルプと、KDP利用規約(最終更新日は2024年9月27日)をもとにしています。規約やヘルプ、画面の表記は変わることがあるので、実際の画面と最新のヘルプもあわせて確認してください。

項目出品用アカウントKDP
管理画面セラーセントラルKDP(kdp.amazon.co.jp)
適用される契約出品者向けの規約KDP利用規約
状態を確かめる主な場所「アカウント健全性」など通知メール、「本棚」「レポート」「アカウント」の各ページ
申し立ての書式改善計画の提出が案内されることがある決まった書式ではなく、通知に書かれた手順に沿って説明する
問い合わせセラーセントラル内の窓口KDPの「お問い合わせ」ページ(サインインが必要)

出品用アカウントが停止された場合の流れは、アカウント停止から再開申請までの全体像で別に整理しています。

KDPは出品用とは別の管理画面で確認
KDPは出品用とは別の管理画面で確認

まず「何が止まったのか」を切り分ける|5つの状態

「KDPが止まった」と感じる状況には範囲の異なる状態があり、対応の方向も違うため、最初に切り分けます。

なお、KDP利用規約の契約終了の条文(第3条)は「解除」という言葉を使っていますが、言葉だけで判断せず、通知の文面から、本単位の措置か、アカウント全体の措置かを読み取ってください。

状態主な手がかり最初にすること
特定の本だけが却下・削除された本の却下・削除を知らせる通知、「本棚」で該当の本が「ブロック」、または「レビュー中」だった本が「下書き」に戻っている(詳細は担当チームからのメールで確認する)対象の本と理由を確認する。削除の決定には異議を申し立てられる
品質の問題を指摘された(販売停止、またはラベル表示)品質の問題を指摘する通知。販売が続いたまま、詳細ページに「品質に関するお知らせ」ラベルが表示される場合もある指摘された箇所を確かめ、修正したファイルを用意する
本人確認を求められているサインイン時の「本人確認が必要です」のバナー「アカウント」→「本人確認」から手続きを進める
アカウント全体が止まったアカウント全体の措置を告げる通知。本棚などにアクセスできない場合もある通知に書かれた異議申立ての手順を確認する
入金だけが止まった本は販売中で、停止の通知も見当たらない口座情報の不一致や、最低支払額に届かないことによる支払いの延期などを確認する

状態が重なることもあるため、迷ったときは届いた通知の文面を最優先にしてください。

止まった範囲を通知と本棚で見分ける
止まった範囲を通知と本棚で見分ける

通知・出版物・入金の確認手順

次の順番で事実を確かめ、確認した内容は再開申請の材料としてメモに残しておきます。

STEP1. 通知メールを保存し、正規の連絡かを確かめる

最初に、届いた通知メールを削除せずに保存します。KDP利用規約の第3条には、Amazonが契約を解除した場合は申請者に通知し、解除が誤りだと考える場合の異議申立ての手順を案内する旨が書かれています。

あわせて、その通知が本物かどうかも確認してください。公式ヘルプでは、KDPがAmazonのパスワードや銀行口座の詳細を尋ねることは一切ないと明記され、正規のKDPのWebサイトとして kdp.amazon.com、kdp.amazon.co.jp、www.kdpcommunity.com、kdpreports.amazon.co.jp(レポート)が挙げられています。件名や送信元だけで判断せず、メール内のリンクではなく、自分でブックマークしたKDPのサイトからサインインして確かめましょう。

STEP2. 通知から「対象・理由・手順」を書き出す

通知を読んだら、次の項目を書き出します。

通知から書き出しておく項目

  • 受信日時と、件名・送信元の表記
  • 措置の対象(特定の本か、アカウント全体か)
  • 対象の本のタイトル、フォーマット(電子書籍かペーパーバックか)、ASINまたはISBN
  • 理由として挙げられている規約やガイドラインの項目
  • 異議申立ての方法と、提出先・期限の記載の有無
  • 提出を求められている書類や情報

STEP3. 「本棚」で本ごとのステータスを確認する

KDPにサインインできる場合は、「本棚」で本ごとのステータスを確認します。公式ヘルプで示されているステータスは「下書き」「レビュー中」「出版準備中」「販売中」「ブロック」です(「販売中」には「販売中 - 未出版の変更あり」などの表示もあります)。

特に注意したいのが「ブロック」です。コンテンツガイドラインを満たしていないために出版も編集もできず、「本棚」から削除もできない状態のため、通知に書かれた手順に沿って対応することになります。どの本のどのフォーマットがブロックかを一覧にしておきましょう。

STEP4. ストアの詳細ページで販売の状態を見る

「Kindle コンテンツの品質ガイド」によると、致命的な問題がある本は修正されるまで販売できなくなり、深刻な問題や軽度な問題が著しく多い本も販売停止になることがあります。問題の数が一定の基準を上回る段階では、販売は続いたまま、詳細ページに「品質に関するお知らせ」ラベルが一時的に表示されることがあります。ラベルが外れるまでの期間や修正の期限は公式ヘルプに示されていないため、早めに修正に取りかかりましょう。

アカウント全体の措置を受けた場合に既刊本の販売が続くかどうかは、公式ヘルプに一般的なルールが示されておらず、ケースによって異なる可能性があります。詳細ページを一冊ずつ開き、購入できる状態かを記録しておきます。

STEP5. 入金の状況と「アカウント」ページを確認する

入金が止まっていても、停止が原因とは限りません。公式ヘルプでは、KDPの登録情報と銀行の登録情報が一致しないことによる振替の拒否や、最低支払額に達していないことによる支払いの延期(源泉徴収によって実際の支払額が最低支払額を下回る場合を含む)なども、入金されない理由として挙げられています。

「アカウント」ページでは、本人確認を求めるバナーが出ていないか、銀行口座・住所・税務情報に誤りがないかを確認します。このページでは2段階認証のコードが求められます(詳しくはよくある質問を参照)。

入金状況と登録情報をあわせて確認する
入金状況と登録情報をあわせて確認する

停止や削除の原因になり得るルール

次に、通知で挙げられた理由をKDPのルールに当てはめて確認します。KDPのコンテンツガイドライン(日本版)は、権利侵害、不快なコンテンツ、AI、読書体験を損なう本、パブリックドメイン、管理楽曲の楽譜・歌詞、違反の報告の7項目で構成されています。ガイドラインは本文だけでなく、タイトル、表紙画像、商品説明にも適用されます。

従わないコンテンツは却下・削除されることがあり、本を削除した場合は著者・出版者に通知され、その決定には異議を申し立てられます。

出版に必要な権利|第三者の権利・管理楽曲

著作権のガイドラインでは、出版に必要な権利を持たないコンテンツをアップロードした場合(しようとした場合を含む)、本の却下・削除、アカウントの停止、ロイヤリティの喪失につながる可能性があると説明されています。確認したいのは次のような点です。

  • Web上で無料で公開されている著作権保護コンテンツを使っていないか(著作権者本人による出版でない限り、出版できないとされています)
  • 他人の商標やブランド、プライバシー権やパブリシティ権を侵害する要素がないか
  • 以前ほかの出版社から出した本を出し直していないか(権利の確認を求められる場合があります)
  • 他人の著作物を基にした要約や参考書などのガイドブックを、著作権者の書面による許可なく出版しようとしていないか(米国以外では出版できないとされています)
  • JASRACなどの著作権管理事業者が管理している曲の楽譜や歌詞を含めていないか(日本のKindleストアでは出版できないとされています)

引用に当たるかどうかなどの判断は法的な問題を含むため、迷う場合は弁護士など専門家に確認してください。対象となる表現と利用許諾を確かめる考え方は、出品者向けの著作権侵害の申し立てへの対応でも扱っています。

AI生成コンテンツの申告

KDPでは、AIで生成したコンテンツ(テキスト・画像・翻訳)を含む本について、新しく出版するときと、既存の本を編集して再出版するときに申告が必要です。AIで作った後に自分で大幅に編集した場合でも「AI生成」に当たるとされる一方、自分で作った内容をAIで編集・改良したり、誤りの確認に使ったりした「AI支援」は申告の対象外です。

申告しなかった場合の具体的な措置はガイドラインに明記されていないため、「申告漏れがあれば即停止」と決めつけず、通知でAIに関する指摘があった場合は、どの本のどの部分にAI生成の要素が含まれるかを洗い出し、申告内容を見直すことから始めます。出版前の確認事項はAI生成書籍をKDPで公開する前の確認ポイントで詳しく扱っています。

なお、KDPの申告ルールとは別に、AI生成物と著作権の関係について、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が2024年3月15日に「AIと著作権に関する考え方について」を取りまとめ、文化庁が同年7月31日に「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を公表しています。

メタデータ(本の情報)のガイドライン

「本のメタデータのガイドライン」では、タイトル、サブタイトル、著者名、説明文(内容紹介)、キーワード、カテゴリーについて、次のような禁止例が示されています。違反の可能性がある本は削除や調査の対象になります。通知では、停止の理由としてメタデータが挙げられることもあり、判定が誤りだと考える場合は通知の手順に沿って説明を求めます。本文だけでなく、タイトルや説明文などの情報も点検の対象と考えておきましょう。

  • 同じ一般的な語の繰り返し
  • ほかの本のタイトルや著者名の無許可の使用
  • 「ベストセラー」などのランキングの表記、「無料」などの宣伝文句
  • タイトル・著者名・キーワードへのHTMLタグ(説明文〈内容紹介〉では、サポートされているHTMLタグを使えます)
  • 説明文でのレビューの引用、期間限定の情報、価格や在庫状況の情報、ネタバレ
  • 内容と関係のないキーワード、中心となるテーマと関係のないカテゴリー

品質|誤字脱字・リンク・スキャン画像

「Kindle コンテンツの品質ガイド」は、品質の問題を「致命的な問題」「深刻な問題」「軽度な問題」に分けています。

分類公式ヘルプの説明主な例・扱い
致命的な問題本の完成度や使い勝手が損なわれるエラー全ページがスキャン画像の本(マンガや子供向け絵本などを除く)、白のテキストや黒の背景を強制して読めない表示、サポートされていない言語のコンテンツなど。適切に修正されるまで本を販売できなくなる
深刻な問題本の内容の理解に支障が出るエラー軽度な問題とあわせて著しく多い場合は、修正されるまで販売停止になることがある
軽度な問題読者が読むうえで気になるレベルのミス(最もよくあるエラー)数が一定の基準を上回ると、販売は続いたまま「品質に関するお知らせ」ラベルが一時的に表示されることがある

誤字脱字は、読者から報告される品質の問題の中で最も多いとされています。ガイドでは、「移動」メニューのリンクが動作しない、ファイル内のタイトルと入力したメタデータが一致しない、といった点も確認項目として挙げられています。

本文と説明文をガイドラインで見直す
本文と説明文をガイドラインで見直す

パブリックドメイン作品

著作権の保護期間が終わった作品(パブリックドメイン)を出版する場合は、独自の翻訳、独自の注釈、10点以上のオリジナルの図版のいずれかで差別化する必要があります。タイトルに「(翻訳版)」「(注釈付き)」「(図解版)」を付け、商品説明の冒頭に独自性を箇条書き(最大80文字)で示すことも求められています。ストアに無料版がある作品は、差別化したものしか出版できません。また、パブリックドメインの作品はKDPセレクト(電子書籍をKindleストアの独占販売にする代わりに、Kindle Unlimitedなどの対象になる登録制度)の対象外です。

KDPセレクト・Kindle Unlimited

KDPセレクトに登録した電子書籍は、登録期間中(1回の期間は90日間で、初期設定では自動更新)、Kindleストアの独占販売にする必要があります。ペーパーバックなど他の形式は他の場所でも販売できますが、デジタル形式での他所での配信はできないとされているため、自分のブログなどでの全文公開も含めて確認しておきましょう。独占性に反した場合、Kindle Unlimitedの分のロイヤリティを支払わないなどの措置が規約にあります。

Kindle Unlimited(定額の読み放題サービス)では、金銭、ギフト、特典コンテンツ、景品などの報償と引き換えに特定の本を読むよう勧めるマーケティングが禁止されています。また規約では、不正に操作しようとするアカウントによる貸出・閲覧にはロイヤリティを支払わないとされています。調査中のロイヤリティの留保については、後述の表で整理しています。規約上、今後のKDPセレクトやKDP全般への参加を禁止するなどの措置がとられる可能性もあるとされています。

アカウント情報・本人確認と1アカウントのルール

KDP利用規約の第4.2条では、アカウントは一度に1つだけとされ、Amazonが利用を終了させた場合は新しいアカウントを開設してはならないと定められています。また、Amazonはアカウント情報を検証するための調査を行うことができ、情報が不正確な場合は正しい情報を提出する必要があります。

本人確認は、アカウントの設定時や、不正防止のために追加の確認が必要なときに求められます。公式ヘルプでは、本人確認が完了しない場合、KDPの出版機能へのアクセス制限やアカウントの閉鎖などの措置が取られることがあると説明されています。

意図せず複数のアカウントを持ってしまった場合は、統合したいアカウントの登録メールアドレスからKDPに連絡して統合を依頼する方法が案内されています(そのアカウントに「販売中」の本が少なくとも1冊あり、その本のタイトルとASINまたはISBNを伝えることなどが条件)。これは意図せず重複したアカウントを整理する手続きで、停止を回避する手段でも、停止の通知を受けた後に作ったアカウントを認めてもらう方法でもありません。停止の通知を受けている場合は、まず通知の手順に沿って対応してください。

通知で複数のアカウントを指摘された場合は、これまでに登録・利用したKDPアカウントの有無と、登録メールアドレス・銀行口座・税務情報の重なりを事実として一覧にし、通知の手順に沿って説明します。

権利の書類とアカウント情報を確かめる
権利の書類とアカウント情報を確かめる

再開申請(異議申立て)の進め方

原因の見当がついたら、窓口、是正の中身、申立て文の組み立て方の順に準備を進めます。

窓口は「通知に書かれた手順」を起点にする

異議申立ての具体的な窓口やフォームの名前は公式ヘルプで一律には示されていないため、届いた通知に書かれた方法に沿って進めるのが基本です。KDPの「お問い合わせ」ページはサインインが必要なので、アカウントにサインインできない状態では、まず通知メールの記載を確認してください。

是正の中身と、それを示す根拠を対応させる

申し立てでは、「何を直したか」と「それを何で示せるか」をセットで考えます。

原因是正の中身示せる根拠・資料の例
権利権利を持たない部分の削除、出版に必要な権利の確認以前の出版社からの著作権返還の書類、以前の出版社が独占的権利を持っていないことを示す書類(署名済みの契約書のコピーなど)/表紙・挿絵などに使った素材の利用規約やライセンスの控え、外注先との契約書や納品時のやりとり(いずれもAmazonから求められた場合に、求められた書類を出す)
AI生成申告内容の見直しと、再出版時の申告AI生成に当たる部分の一覧と、申告を見直した記録
メタデータ禁止例に当たる表記やキーワードの削除修正前と修正後のメタデータの比較
品質誤字脱字やリンク不良などの修正修正箇所の一覧と、修正後のファイル
パブリックドメイン差別化要件を満たす内容と表記の追加翻訳・注釈・図版の内容、タイトルと商品説明の表記
Kindle Unlimited報償つきで読書を促す施策の中止中止した施策の内容と、中止した日付
本人確認公的な身分証による手続きパスポート、運転免許証、在留許可証など(デジタルIDや紙のコピーは不可)

権利の確認については、Amazonが提出を依頼した書類のみを受け付けると明記されています。書類を受け取ってから通常5営業日以内に返答があり、承認後に詳細ページに表示されるまで最大48時間かかるとされていますが、これは権利確認の書類についての目安で、アカウント停止の審査期間ではありません。

本人確認は、「アカウント」→「本人確認」で、身分証と一致する氏名・住所・生年月日を入力し、身分証の種類を選んで撮影し、求められた場合はセルフィー(自分の顔写真)も撮影して「送信」する流れです。試行回数の上限に達した場合は72時間待つ必要があります。

申立て文の組み立て方

通知で求められている内容に答える形で、次の順に簡潔にまとめるのが一般的な考え方です。

  1. 事実関係:どの本の、どの部分が、どの規定に関係していたか
  2. 原因:なぜその状態になったのか(確認の手順がなかった、規定を誤解していた など)
  3. 実施した修正:いつ、何を直したか
  4. 再発防止:今後の出版・更新の前に何を確認するか
  5. 判定が誤りだと考える場合は、その根拠

原因・是正・再発防止という組み立ての考え方は、出品用アカウント向けの改善計画の組み立て方も参考になりますが、書式や用語はそのまま流用せず、KDPの規約とガイドラインの言葉に置き換えてください。ひな形に頼ると説明が不足しやすい理由は、テンプレート流用で不足する説明で整理しています。

申立て文の例(想定例)

次は、メタデータの禁止例に当たる表記を指摘された場合を想定した申立て文の例です。実際の事例ではない想定例のため、自分の状況と事実に合わせて書き換えてください。

対象の本のタイトルに「ベストセラー」というランキングの表記を入れ、説明文(内容紹介)に期間限定の値下げの案内を記載していました。また、キーワードに本の内容と関係のない語を2つ登録していました。原因は、出版時と更新時に、本のメタデータのガイドラインに示された禁止例と照らし合わせる手順を設けていなかったことです。
対応として、タイトルからランキングの表記を、説明文から期間限定の案内を削除し、関係のないキーワード2つを本の内容に沿った語に差し替えた修正案を用意しました。あわせて、同じアカウントで出版しているほかの本のタイトル、説明文、キーワード、カテゴリーをすべて見直し、禁止例に当たる記載がないことを確認しました。
今後は、出版と更新のたびに、ガイドラインの禁止例を一覧にしたチェック表で確認してから提出し、確認した日付を記録します。
修正内容をご確認のうえ、販売の再開をご検討くださいますようお願いいたします。追加で必要な情報があればお知らせください。

提出後の待ち方

異議申立ての審査期間や返信までの日数について、公式の目安は示されていません。返信を待つ間は、追加の情報を求める連絡が届いていないかを定期的に確認します。判定が誤りだと考える場合も、感情的な表現は避け、通知の手順に沿って事実と根拠を示しながら説明を求めてください。

本の修正を反映して再出版した後の目安は、公式ヘルプの「タイムライン」で、電子書籍の場合、既刊本のタイトルや内容紹介などの更新と原稿の更新が72時間以内、希望小売価格の更新が24時間以内とされています(いずれも目安で、更新した内容もレビューを経て反映されます)。提出した日時と内容は記録しておきましょう。

直した内容と根拠をそろえて申し立てる
直した内容と根拠をそろえて申し立てる

ロイヤリティとデータを守る|保留の規定と「慌てて解約しない」

KDP利用規約には、次のような保留や不払いの定めがあります。

場面規約上の扱い(要旨)
第三者が「権利を持っていない」と主張した場合妥当性を確認できるまでロイヤリティを保留できる(第5.4.8条)
表明・保証やコンテンツガイドラインへの違反があると判断された場合該当する本のロイヤリティを支払う義務がなく、支払済みの分も今後のロイヤリティと相殺されるか、該当額の送金を求められることがある(第5.4.8条)
表明・保証やコンテンツガイドラインの違反を理由に契約が解除された場合未払いのロイヤリティは放棄することになる(第5.4.8条)
欺瞞的・詐欺的・違法な活動があったと判断された場合ロイヤリティの支払いを永久的に留保できる(第5.4.8条)
契約が終了した場合本来の支払日から3ヶ月間分のロイヤリティを、返金などとの相殺に備えて保留できる(第5.4.8条)
KDPセレクトで不正な操作が調査されている場合調査中の最大90日間、その著者のすべての電子書籍のロイヤリティの支払いを留保できる(KDPセレクトの規約)

個々のケースでどの定めが適用されるかは、一律には言えません。また規約には、紛争を裁判ではなく拘束力のある仲裁で解決し、米国の法律(米連邦仲裁法・ワシントン州法)を適用する定めがあります。法的な意味は弁護士に確認してください。

なお、契約が終了しても、読者が購入済みの電子書籍に関する権利は残ると規約に定められています。

自主解約は状況を確かめてから判断する

公式ヘルプによると、自分でKDPアカウントを解約すると元に戻せず、同じメールアドレスで再登録もできません。

公式ヘルプでは、解約の確認後、未払いのロイヤリティは次の支払いサイクルで処理されるとされていますが、解約後は銀行口座や住所を更新できず、レポートや納税フォームにもアクセスできなくなります。登録情報に誤りがあると受け取りに支障が出るおそれもあるため、解約は通知の内容と入金の状況を確かめてから判断してください。

サインインして「本棚」を操作できる状態で、問題のある本だけ販売を止めたい場合は、対象の本の横の「…」から「出版を停止」を選ぶ方法があります。停止まで最大72時間かかり、電子書籍とペーパーバックはフォーマットごとに停止できます。ただし、出版を停止しても、通知への対応(異議申立て)の代わりにはなりません。また、KDPセレクトに登録中の電子書籍は、出版を停止しても現在の90日間の登録期間が終わるまでは独占販売とする必要があるため、その間に他の場所でデジタル配信しないよう注意してください。

今のうちに保存しておくもの

早めに手元に残しておきたい記録

  • 通知メール(受信日時が分かる形で)
  • 「レポート」の売上・ロイヤリティのデータ
  • 納税フォーム(解約前のダウンロードが公式に推奨されています)
  • 出版した本の原稿ファイル、表紙画像、メタデータの控え
  • 権利関係の契約書や、使用許諾のやりとりの記録

確定申告などに向けた記録の整え方は、出品者向けの内容ですが停止中の経理対応も参考になります。

やってはいけない対応

次の対応は、状況をかえって悪くするおそれがあります。

  • 新しいアカウントを作って出版を続ける:規約第4.2条で禁止されており、公式ヘルプでも同じメールアドレスか別のメールアドレスかを問わず2つ目のアカウントの作成は禁止されています。新しいアカウント経由のロイヤリティをAmazonが支払う義務もないと定められています。
  • 通知を装ったメールにパスワードや口座情報を入力する、ログイン情報を第三者に渡す:KDPがパスワードや銀行口座の詳細を尋ねることはありません。乗っ取りが疑われる場合は、パスワードを変更し、KDPに報告します。
  • 権利の書類を加工・偽造する:虚偽の書類の提出は不正行為であり、決して行わないでください。手元にない書類は、以前の出版社など正規の発行元に依頼して用意します。
  • 報償つきで読書を促して既読ページを増やそうとする:Kindle Unlimitedのルールで禁止されている行為です。
  • 出品用アカウントの改善計画のひな形をそのまま送る:KDPの規約やガイドラインの用語と対応しないため、何を直したのかが伝わりにくくなります。
  • SNSで個別の対応を求める:公式ヘルプでは、KDPはSNS上でアカウント固有の質問に対応しないとされています。やりとりは正規の窓口で行います。

再発防止|出版前と出版後の点検

出版や更新のたびに確認する項目と、定期的に確認する項目に分けて点検します。

出版・更新の前に確認すること

  • 出版に必要な権利を持っているか(過去に他社から出した本は、権利の返還を示す書類があるか)
  • 外注した文章・イラスト・表紙素材の利用許諾を書面で残しているか
  • Web上の他人の文章や画像、管理楽曲の楽譜・歌詞を使っていないか
  • AI生成に当たる要素があれば申告したか(既存の本を編集して再出版するときも)
  • タイトル・説明文・キーワード・カテゴリーが禁止例に当たらないか
  • 誤字脱字、「移動」メニューのリンク、ファイル内のタイトルとメタデータの一致
  • パブリックドメイン作品は、差別化の要件と表記を満たしているか
  • KDPセレクトに登録する本を、他の場所でデジタル配信していないか

定期的に確認すること

  • 「本棚」に「ブロック」の本や、「下書き」に戻った本がないか
  • 詳細ページに「品質に関するお知らせ」ラベルが出ていないか
  • 入金の状況と、銀行口座・住所・税務情報に変更漏れがないか
  • 「本人確認が必要です」のバナーが出ていないか
  • 規約の変更の知らせ(メールやKDPコミュニティなどで通知されます)
  • 外部で行っている販促が、報償つきの読書促進になっていないか
出版前の点検を習慣にして再発を防ぐ
出版前の点検を習慣にして再発を防ぐ

よくある質問

Q. KDPが停止されると、出品用アカウントや買い物用のAmazonアカウントまで使えなくなりますか?

A. KDPの停止が出品用アカウントや購入用アカウントに影響するかは公式ヘルプに示されていないため、それぞれのアカウントの画面と通知を個別に確認してください。購入用アカウントが使えない場合の確認手順は、購入アカウントが使えないときの確認手順で整理しています。

Q. 保留されたロイヤリティは、いつまで待てば支払われますか?

A. どの定めによるかで変わります。規約上、KDPセレクトの調査中の留保は最大90日間、第三者の権利主張による保留は妥当性を確認できるまでとされ、契約終了時には本来の支払日から3ヶ月間分を保留できる定めもあります。どの定めが当てはまるかはケースによるため、通知の記載と「レポート」の数字を記録し、通知の手順に沿って確認してください。

Q. 「ブロック」になった本を直して出し直せますか?

A. 「ブロック」の本は出版も編集もできないため、まず通知に書かれた手順に沿って対応し、修正の反映方法も通知の案内に従ってください。理由を解消しないまま、同じ内容を別の本として登録し直すことは避けましょう。

Q. 別のメールアドレスで新しいアカウントを作れば、出版を続けられますか?

A. できません。KDP利用規約第4.2条で禁止されています(詳しくは「やってはいけない対応」を参照)。

Q. 2段階認証のコードが届かず、「アカウント」ページに入れません。

A. KDPの「アカウント」ページでは2段階認証が必須で、無効にはできません。設定はAmazonアカウントの「ログインとセキュリティ」→「2段階認証(2SV)の設定」で確認でき、登録した電話番号にアクセスできない場合は「アカウントの回復」の手順に従うよう案内されています。サインインのトラブル全般については、Amazonへのログインができないときの確認手順も参考にしてください。

まとめ

ポイントを振り返ります。

  • 通知の文面、「本棚」のステータス、入金の状況の3点で、本単位の措置か、アカウント全体の措置か、本人確認や入金の問題かを切り分ける
  • 異議申立ての方法は、届いた通知に書かれた手順を起点にする
  • 通知の理由を規約・ガイドラインに当てはめ、「何を直し、何で示すか」をそろえて簡潔に説明する
  • ロイヤリティには保留や不払いの定めがあるため、記録を早めに保存し、自主解約は状況を確かめてから判断する
  • 新しいアカウントの作成、書類の加工、報償つきの読書促進は行わない

通知と本棚の事実を一つずつ確かめ、原因に合った是正と説明を積み上げることが、再開を目指すうえでの基本です。権利や契約に関わる判断は、弁護士などの専門家に確認してください。

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