「別アカウントと関連があると考えられる」として出品用アカウントが停止されたものの、相手に心当たりがない方に向けて、接点を一つずつ確かめる手順と、調べた結果を説明資料にまとめる方法を整理します。対応の全体像は関連付けを指摘されたときの整理と申立ての準備で扱っています。
最初に押さえる前提|ルールと公表されていないこと
本記事は、2026年9月時点で確認できたセラーセントラルのヘルプ、Amazonサービスビジネスソリューション契約(以下、BSA)、セラーフォーラムのAmazonスタッフの回答をもとにしています。規約や画面の表記は変わることがあるため、最新のヘルプも確認してください。
ヘルプ「出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項」は、正当な理由がある場合を除き、アカウントを出品する地域ごとに1つとし、いずれかに問題があれば出品用アカウントがすべて停止されることがあるとしています。関連があるとされた場合、この定めにより、相手側の問題や「正当な理由のない2つ目のアカウント」という判断が自分にも及んでいるおそれがあります(Amazonが個別にこう説明しているわけではありません)。ルールの全体は冒頭の記事で解説しています。
一方、Amazonがどの情報で関連を判定しているかは公表されていません。プライバシー規約にはIPアドレスや端末の情報などを取得し、不正行為の防止に使うとありますが、関連付けに何を使うかは示されておらず、「同じWi-Fiを使ったから」といった話も根拠のある説明ではありません。BSA第3条にも、捜査や防止を妨げる場合などは停止理由を通知しない例外があります。そこで本記事では、接点の候補を一つずつ確かめ、調べた範囲と結果を説明できる状態にすることを目標にします。
通知と画面から読み取れることを書き出す
接点を探す前に、手元の情報を正確に書き写します。確認する場所は、登録メールアドレスに届いたEメール、「アカウント健全性」のページ、「パフォーマンス通知」です。
通知の言い回しは時期によって異なり、2026年のフォーラムに転載された通知では、関連先が「●●で始まる」とだけ示されていました(伏せ字か通知の表記かは不明)。ご自身に届いた文面を基準にしてください。
通知から書き写しておく項目
- 受信日時、件名、対象のストア
- 停止理由として書かれた表現(言い換えずにそのまま)
- 関連先の名称・IDの一部(示されている場合は表記どおり)
- 求められている情報・書類と提出方法
- 売上金や未発送の注文に関する指示
関連先の名称やIDの一部が示されていれば、過去に使った店舗名(海外を含む)、取引先・仕入先・委託先、以前の勤務先、家族や知人の事業、利用中のツールの提供元の名称と照らし合わせます。何の一部か分からないこともあるため、一致や類似があっても、棚卸し表の該当する分類に「名称が似ている」事実として記録するにとどめます。何も示されていなければ、その旨を要旨に書きます。
この書き写しが、説明資料の要旨の土台になります。通知の読み方は停止から再開申請までの全体像も参考にしてください。

接点の棚卸し表|6つの分類と確認場所
「心当たりがない」ときほど、一覧で確かめるのが有効です。接点の候補を6つに分け、確認場所と残す記録を対応させます。
| 分類 | 確かめる候補の例 | 主な確認場所 | 残しておく記録 |
|---|---|---|---|
| ①自分名義の別アカウント | 他の地域のアカウント、登録途中で止めたアカウント | ストアスイッチャー、アカウントセレクター、グローバルセリングアカウントの一覧 | 一覧の画面、登録の時期と経緯 |
| ②登録情報 | 住所、電話番号、メール、銀行口座、請求用のカード。同じ住所を使う他の事業者(シェアオフィス・バーチャルオフィス・家族の事業) | 「設定」→「アカウント情報」 | 登録内容の控え、変更日と理由 |
| ③人 | 従業員、共同経営者、家族 | 「ユーザー権限」→「従業員の管理」 | 利用者の一覧、付与・削除の日 |
| ④外部業者 | 代理店、コンサルタント、物流・転送会社 | 「ユーザー権限」の「サービスの管理」、社内の契約書 | 契約書、業務の範囲、承認・削除の記録 |
| ⑤ログイン環境 | ログイン情報の共有、共用の端末 | 「設定」→「ログイン設定」「ユーザー権限」、社内の端末・ログインの管理記録 | ログイン情報の管理方法、端末の一覧 |
| ⑥事業上の関係 | グループ会社、引き継いだ事業 | 社内の登記・契約・出資の資料 | 関係の有無と経緯を示す資料 |
各行に「正当な関係」「管理に問題」「見つからなかった」のどれかと、確認日、確かめた画面・資料を記入します。判定基準は非公表のため(前提のとおり)、この表は「ここまで調べた」と示す記録です。
停止前の数か月に変えたこと(住所・口座・電話番号の変更、従業員や業者の追加、海外での登録、端末の入れ替えなど)を日付順に並べると、確認の順番を決めやすくなります。ただし、原因を示すものではありません。
見落としやすい①自分名義の別アカウント
棚卸しは①から始めます。「他のアカウントはない」と思っていても、正規の仕組みで自分のアカウント同士が関連付けられていることがあるためです。ヘルプによると、別の地域で出品用アカウントの登録を完了すると元のアカウントと関連付けられ、登録フォームに前回の情報が自動で入る場合もあります。
STEP1. 画面上部と左上の表示を見る
統合済みのアカウントは画面上部のストアスイッチャーに表示され、画面左上のアカウントセレクター(サイトのドロップダウン)は複数のサイトやストアを管理している場合にだけ表示されます。北米(例:米国・メキシコなど)は地域内の既存アカウントで出品できる場合があるため、想定していないストアが表示されることがあります。見覚えのないストアは経緯を確認します。
STEP2. グローバルセリングアカウントの一覧を開く
ヘルプ「出品用アカウントの解約」からリンクされた自分のグローバルセリングアカウントの一覧で、日本以外にアカウントが残っていないかを確かめ、画面を保存します。「在庫」→「グローバルセリング」の「アカウントの統合」タブも確認します。統合は所有者本人が行い外部企業などは行わないよう明記されており、解除もできないため、業者に任せていた場合は誰がいつ操作したかも確かめます。
STEP3. 見つかったアカウントの状態を確かめる
2026年のフォーラムでAmazonスタッフは、他国のアカウントの停止が関係するとみられる相談に、元のアカウントを先に再開してから日本の手続きをするケースがほとんどだとして、元のアカウントからケースを作るよう案内しています。別のスタッフも、海外の関連アカウントは再開の案内から反映まで数日かかることがあり、回復を確認したら日本のマーケットプレイス上でその旨を報告するよう案内しています。結果の保証ではありませんが、日本の画面だけで完結させないことが大切です。海外Amazonでの出品アカウント停止や以前停止したアカウントの再開相談も参考にしてください。
見つかったアカウントを急いで解約するのは避けてください。解約で関連付けが解消されるという公式の根拠はなく、解約済みのアカウントは再び有効にできません。

②〜⑥の接点を表の順に確かめる
アカウント情報(②登録情報)
「設定」→「アカウント情報」で、店舗名、メール、電話番号、銀行口座、請求方法のクレジットカード、会社・返送先の住所などが実態と一致しているかを確かめます。以前の住所、家族や元従業員の電話番号、他人名義の口座やカードなど、他の人や事業と共通の情報が残っていないかも見ます。本人確認のヘルプは、登録情報と一致し改ざんされていない正規の書類を要件としています。停止後の書類は通知で指定された種類・形式を優先し、登録情報との食い違いも確認してください。準備は本人確認の追加書類を準備するが参考になります。
ユーザー権限(③人)
「設定」→「ユーザー権限」→「従業員の管理」で、アクセスできる利用者を確認します(大口出品者のみ利用可)。従業員は削除するまで期限なくアクセス権が残るため、退職者や一時的に手伝った人がいないかを確かめます。ヘルプは、認証情報を誰とも共有しないこと、追加したユーザーの行為に出品者が責任を負うことを明記しています。不要な利用者は「ユーザーを削除」で外し、前後の画面と日付を記録します。
サービスプロバイダー(④外部業者)
代理店、コンサルタントなど組織外部の第三者は、ヘルプでは「サービスプロバイダー」と呼ばれます。プロバイダーから共有される承認リンク、またはサービスプロバイダーネットワーク(SPN)から承認し、アクセスは365日間有効です(期限前に再承認可)。管理場所は「設定」→「ユーザー権限」→「サービスの管理」(/apps/authorize/global/manage)です。未登録の業者にもログイン情報は渡さず、アクセスの与え方を事前にサポートに確認してください。業者を従業員として追加していた場合や、ログイン情報を渡していた場合は、その事実も記録します。アクセスの削除はすぐ反映されますが、業者との契約は解除されず、削除は元に戻せません。
フォーラムには物流会社との関係を疑う出品者の投稿もありますが、業者が原因になるという公式の説明はありません。任せていた業務の範囲とアクセスの方法を、事実として示すにとどめます。
ログイン設定と2段階認証(⑤ログイン環境)
以前に登録したアカウントでは、購入用と同じログイン情報の場合があります。「設定」→「ログイン設定」で現在のEメールアドレスを確認し、家族や他の事業と共用していないかを見ます。ヘルプは複数の人が使う場合の個別のログインを勧め、BSA第16条も権限を与えた者以外へのパスワードの開示を禁じています。共有していた場合は、その期間と相手を正直に記録します。
2段階認証はセラーセントラルへのアクセスに必要で、購入用と同じサインイン情報なら、その設定で両方のアカウントが保護されます。利用者ごとに個別のログインがあれば、それぞれで設定します。認証コードを受け取る電話番号や認証アプリの端末が家族・元従業員・業者のものになっていないかを確認し、変更したら日付を記録します。ログインに使うパソコンやスマートフォンを誰がどこで使っているかも一覧にします。端末や通信環境が判定に使われるかは非公表です。ここでの記録も、説明を裏づけるためのものです。
第三者に情報を使われた可能性があれば、ヘルプ「出品アカウントの情報を安全に保つ」に沿って、パスワードの変更、「支払い情報」「ユーザー権限」などの見覚えのない変更の確認、テクニカルサポートへの報告を行います。
事業上の関係と家族(⑥)
BSAの「サービス利用者」には申込者の関連会社も含まれる定義です。判定での扱いは不明ですが、グループ会社が別に出品していれば、資本関係と事業の独立性を説明できるようにします。アカウントは譲渡できないため、事業やアカウントを引き継いだ経緯も確認します。家族や同居人が別に出品する場合の扱いを定めた公式の記載は見当たらないため、名義・口座・在庫・業務が独立している事実を整理し、必要に応じてサポートに確認してください。
調べた結果を説明資料にまとめる
棚卸しの結果は3つに分けます。分類によって説明の中心が変わります。
| 結果 | 説明の中心 | 添える資料の例 |
|---|---|---|
| (a) 接点があり、正当な関係だった | 相手が誰で、どんな関係で、なぜ正当か | 契約書、承認の記録、登録の経緯 |
| (b) 接点があり、管理に問題があった | 何が問題で、いつ是正し、どう防ぐか | 権限削除の画面、変更後の設定、社内ルール |
| (c) 調べても見つからなかった | 調べた範囲・方法・結果と、不明な点 | 棚卸し表、各画面の保存、登録情報と一致する書類 |
同じ地域に自分名義の別アカウントがあり、正当な理由(複数ブランドの独立運営など)に当てはまらない場合は(b)として扱い、登録の時期と経緯を隠さずに示します。自己判断で元のアカウントや今回見つかったアカウントを解約するなどはせず、通知の指示とアカウント健全性サポートの案内に従ってください。
(c)では、分からないことを推測で埋めないことが大切です。「一切関係ありません」と言い切るより、「この範囲をこの方法で確認し、接点は見つからなかった」と書くほうが、確かめられる説明になります。(b)を含む場合は原因・是正措置・再発防止をそろえ、改善計画の組み立て方を参考にしてください。
資料の構成と書き方の原則
- 要旨:通知の日付と指摘内容、結果が(a)〜(c)のどれか
- 調べた項目の一覧:6分類ごとに、確認した画面・資料、確認日、結果
- 証拠の索引:「資料1 グローバルセリング一覧の画面(他地域の登録の有無)」のように、番号・内容・示すことを並べる
- 今後の管理ルール:権限・ログイン・登録情報の管理方法と点検の頻度
ヘルプ「出品権限を回復するために申し立ての質問書に回答する」は、事実に基づき明確・簡潔・具体的に書く、他のケースの情報や感情的な表現を含めない、実施した対応を日付と関連書類とともに示す、重要な部分を丸で囲むか強調する、といった指針を示しています。関連アカウント専用の書式や証明書類の公式な一覧は公開されていないため、通知で求められた資料を優先し、関係の薄い資料の大量添付は避けます。
説明文の例文
次は、(a)〜(c)が混在した場合の説明文の例文です。実際の事例ではない想定例のため、確認した事実に合わせて書き換えてください。
〇月〇日付の通知で、別アカウントとの関連を理由に停止された件について説明します。指摘されたアカウントに心当たりがないため、次の範囲を確認しました。
1. 他地域のアカウント:グローバルセリングアカウントの一覧とストアスイッチャーで、日本以外のアカウントがないことを確認しました(資料1)。
2. ユーザー権限:昨年退職した元従業員の権限が残っていたため、〇月〇日に削除しました。これが指摘されたアカウントとの接点かどうかは、当社では確認できていません(資料2)。
3. 外部業者:委託先の物流会社は、サービスプロバイダーとして承認した範囲でのみアクセスでき、ログイン情報は共有していません(資料3)。
以上の範囲では、指摘されたアカウントとの接点と確認できたものはありませんでした。今後は利用者ごとに個別のログインを発行し、退職・契約終了の当日に権限を削除し、一覧を毎月確認します。

提出の流れと使える窓口
申し立ては、「アカウント健全性」のページ上部の「出品用アカウントの再開」から、指示に従って回答や書類を提出し「送信」します。回答まで最大で2日間程とされていますが、再開の時期の目安ではありません。追加の情報は「アカウント健全性の要請を見る」から提出します。
求められた情報をすでに提出している場合、Amazonスタッフはフォーラムで、アカウント健全性ダッシュボードの「お問い合わせ」ボタンからの問い合わせを検討するよう案内しています。大口出品者はここから電話で相談でき、小口出品者はヘルプ、Amazon出品大学、セラーフォーラムの情報を使うよう案内されています。準備はアカウントヘルスサポートへ相談する前の準備にまとめています。
停止中の売上金は、リスクがあるとAmazonが判断した場合、原則90日間留保され、リスクの継続や調査の必要があれば延長されることがあります。ポリシー違反などの目的で利用されているとAmazonが判断した場合は、問題のある行為がなかったと確認されるまで留保されます。支払い時期は保証されないため、停止後の売上金の確認も参考にしてください。
停止理由の開示には取引透明化法(特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律)の定めもあるため、疑問があれば弁護士や、経済産業省の委託事業「デジタルプラットフォーム取引相談窓口(オンラインモール利用事業者向け)」(無料。あっせん・仲介は行わない)に相談してください。
やってはいけないことと今後の管理ルール
- 停止中に新しいアカウントを作る:地域ごとに1アカウントの原則に反し、Amazonスタッフも状況が悪化するおそれがあるとしています。自分が運営するアカウントを家族や知人の名義で登録するのも同様で、虚偽の情報の登録にもあたるおそれがあります。
- アカウントを譲り受ける、名義を貸し借りする:出品用アカウントは譲渡できません。
- 書類を加工する:日付・名義・金額の書き換え、合成、一部の削除といった改ざんは要件を満たさず、虚偽の情報の提出にもあたります。本人確認書類は手を加えずに提出し、重要部分を強調する場合も元の記載が読める状態を保ちます。
- 推測で「関係ない」と言い切る:後で接点が見つかると、説明全体の信頼性を損ねるおそれがあります。
- 同じ説明を繰り返し送る:却下されたら、不足していた点を通知やサポートで確かめてから見直します。
説明資料の最後に示す管理ルールの例
- 利用者ごとに個別のログインを発行し、パスワードは共有しない
- 退職・契約終了の当日に「従業員の管理」または「サービスの管理」から権限を削除し、日付を記録する
- 外部業者は、プロバイダーから共有される承認リンクまたはサービスプロバイダーネットワーク(SPN)から承認し、365日の期限で継続の要否を判断する。未登録の業者にもログイン情報は渡さず、方法はサポートに確認する
- アカウントの統合や他の地域への登録は所有者本人が行い、日付と目的を記録する
- 「アカウント情報」の登録内容を月に一度確認する
管理ルールは「誰が・いつ・何を確認するか」まで決め、運用できる内容だけを書いて実行記録を残してください。

よくある質問
Q. 関連があるとされた相手のアカウントを教えてもらえますか?
A. 相手の詳しい情報を開示するという公式の記載は見当たりません。問い合わせは構いませんが、教えてもらえる前提で準備を止めず、自分で確かめられる範囲の棚卸しを進めてください。
Q. アカウント健全性の評価は緑(健全)だったのに停止されました。
A. Amazonは、アカウント健全性の評価(AHR)のスコアにかかわらず、法律で義務付けられている場合や不正などが疑われる場合は直ちに停止することがあり、AHRの対象外のポリシーに違反した場合も停止するとしています。通知に沿って対応してください。
Q. 関連先の名称が取引先の社名に似ています。説明に書くべきですか?
A. 名称が似ているだけで同じ相手とは断定できません。似ている事実と、その取引先との関係(契約の内容、ユーザー権限やログイン情報の共有の有無)を分けて書き、確認に使った記録を添えてください。
Q. 開けない画面や、取り寄せられない資料があります。
A. 確認できなかった項目は、試みた日と理由を棚卸し表に記録し、説明資料の「不明な点」として示します。確認できる範囲を先に進め、残りはアカウント健全性サポートへの相談時に伝えてください。
まとめ
心当たりのない関連付けでは、判定の基準も相手の情報も示されないことがあるため、原因を当てるより、調べた範囲を示すことが説明の軸になります。
- 通知の文面、対象のストア、関連先の手がかり、求められている資料をそのまま書き写す
- 6つの分類で接点を棚卸しし、最初に他の地域に自分名義のアカウントがないかを確かめる
- 結果を「正当な関係」「管理に問題」「見つからなかった」に分け、要旨・調べた項目・証拠の索引・管理ルールの順にまとめる
- 新しいアカウントの作成、書類の加工、推測での断定は避ける
迷う場合は、通知と棚卸し表をそろえて、アカウント健全性サポートや専門家への相談も検討してください。
※本記事は一般的な解説です。個別のケースは状況により対応が異なります。




